放射線科
放射線科
画像診断と血管内治療を実施。安全で、専門性の高い医療サービスを提供。
各種撮影装置(CT・MRI等)を用いた正確かつ迅速な画像診断による早期の病気の発見に努めています。
画像診断の発達は周知のことではありますが、近年コンピューター関連の発達による画像の情報量およびその処理速度は飛躍的に伸びています。
当院では最新の画像診断装置はもちろんのこと、フィルムを用いない画像診断ネットワークシステムを装備しています。撮影された画像は瞬時に診療現場に送られ、放射線科と診療現場の医師がモニターを見ることにより離れていながら画像情報を共有することが可能で、より迅速な画像診断が行える体制を整えています。
放射線の安全管理や被曝に対しても3名の専門医および放射線技師により万全を期しています。
放射線診断科 部長 藤本 圭志
顧問 波多 信
はじめに
当院放射線科は、画像診断科Dr4名(非常勤Dr数名)と技師15名、受付2名で業務を遂行しています。放射線科では身体を画像化する装置がたくさんあります。胸部、骨、関節など撮影する一般撮影、透視を使用するTV装置、血管内に細いカテーテルを入れてそこから造影剤を注入して撮影治療する血管造影装置(DSA)、身体内部を撮影するX線CT装置、磁力線を使用するMRI装置などを操作し撮影しています。
検査においては、医師と検査技師と看護婦がしっかり連携し、安全第一を心がけすべての患者さんに安心し、納得して検査を受けていただきたいと思います。たくさんの装置を操作して患者さんの身体を撮影し、あわせ て診断に適した画像が得られるよう医療人としての責任をもって24時間体制でがんばっています。 当院は地域医療支援病院として、地域との連携をいっそう深め、より質の高い医療サービスを提供することで、当科の役割として、地域の先生方などからの検査依頼を積極的に受け入れていますのでご利用ください。
装置一覧
一般撮影(DRシステム)
一般撮影では、胸部、腹部、全身の骨・関節の検査を3台の装置で撮影しています。 装置にはDR(Digital Radiography)システムを導入しています。
DRシステムとは
1. 鮮明で診断域の広い画像を提供できる。
2. 均一で安定した診断画像を提供できる。
3. 被曝線量を低減化することができる。
などの特徴を活用し、よい画像を提供し診断に役立てています。
マンモグラフィ装置
乳房のX線撮影のことで、乳房は柔らかい組織のため、専用のX線装置を用いて撮影します。
当院は、CRシステムを用いたシーメンス製の装置を使用し、乳房を圧迫板で挟んで内外斜位方向(MLO)と頭尾方向(CC)の2方向撮影しています。
圧迫時は少々痛いですが、圧迫することで均等な厚みになりよい写真を撮るため大変重要なことですので、撮影時にはご協力ください。
骨塩定量装
置骨塩定量検査は、骨の構成要素であるカルシムやミネラルの量(骨密度)を測定し骨粗しょう症の診断や薬剤栄養運動療法の治療効果判定するために必要な検査です。当院ではより正確な測定をするため腰椎・大腿骨を測定し、また各患者さんが保存できるようなレポートを作成しお渡ししています。
MRI装置
MRIとは磁気共鳴画像装置(magnetic resonance imaging)の略で放射線の被ばくがなく、全身の臓器をいろいろな方向の断面で画像化できる装置です。当院は1.5T、3.0T(テスラ)装置2台で対応しています。この装置は造影剤を使わずに血管、靭帯などの細かな部位を抽出することに優れています。装置からは大きな磁場が発生しており、磁場を乱す磁性体の物(補聴器、入れ墨、アクセサリー類等)を身につけていると良い画像が得られません、また安全性も損なわれるため、検査入室時に磁性体のものははずしていただきます。また心臓ペースメーカーや磁性体に反応する金属が体内に入っているときは、検査を受ける事ができない場合があります。検査中は工事現場のような大きな音がしますが、ヘッドホーンから流れる音楽で大きな音は軽減され、リラックスして検査を受けていたただけるようになっています。近年のMRI装置は躍進的に進歩しており、検査時間の短縮化など図られていますが、まだCT検査などに比べ時間がかかります。この装置では、整形領域はもちろんの事、超急性期の脳梗塞にも対応し、早期治療を受けられる様になってきています。また病変と周囲正常組織とのコントラストを強調したり、病変部の性質を知るため造影剤という薬品を目的に応じて使用しています。
CT装置
当科CT装置は、64列と128列のマルチスライス装置2台で稼動しており脳、肺、大血管、腹部臓器、四肢といった全身の部位を短時間で広範囲かつ高精細で撮影することが可能です。また最新のアプリケーションにより、低被ばくで患者さんに負担の少ない検査を行なうことができ、この装置の特徴である高速回転により従来のCT装置では評価が難しかった冠動脈評価も可能となり、狭心症や心筋梗塞といった循環器領域の診断に非常に役立っています。
医療画像処理ワークステーション
CTやMRIで撮影した連続データを用いて3D画像を作成することで、疾患と周辺の他臓器との関係や複雑な血管走行を視覚的につかむことが容易になり、診断のサポートや手術などの治療に有効な画像を提供することができます。また当科では、造影剤を使用した血管の評価や心機能解析、仮想内視鏡、内臓脂肪の計測なども行なっています。
X線TV装置
TV装置では、造影剤(バリウム)を使用した食道胃十二指腸、小腸、大腸の検査を行なっています。また透視により、臓器とチューブや内視鏡などの位置を確認しながら検査、処置を行なっています。
血管造影装置(アンギオ)
ここでは主に腹部・頭部・四肢に用いる全身アンギオと心臓用アンギオの2台を設置しています。装置においては、少ない線量で、鮮明な画像が得られ、また患者さんに圧迫感がない設計になっているため、安心して検査を受けていただけます。腹部アンギオ装置は、血管構造を三次元(3D)で観察できる撮影が可能で、DSA(Digital Subtraction Angiography)画像により血管のみをクリアに抽出し、血管の走行が把握でき、これにより血管障害や腫瘍の有無を検査するほか、肝臓癌に対する化学療法や肝動脈塞栓術を行なっています。頭部アンギオでは、脳腫瘍の種類の特定、脳動脈瘤の発見と治療、急性期脳梗塞に対する治療などを行なっています。一方心臓領域においては、心臓カテーテル法として、他のアンギオと同じく、細長いチューブ(カテーテル)を挿入し、詳細に検査するほか、冠状動脈の狭窄の状態などを映し出すことにより、当院では、カテーテル治療として、バルーンによる狭窄部の拡張(PTCA)、ステントの挿入、局部的な薬剤の注入、また不整脈の原因箇所を焼灼するアブレーションなどを積極的に行なっています。
フィルムレス(モニター診断)
当院では、平成22年1月1日より、消化管透視撮影およびマンモグラフィーを除く全ての放射線関連検査の画像(X線撮影、血管撮影、CT、MRI等)をフィルムに印刷することなく、モニターで観察し判断するシステムを導入しました。これにより、撮影終了後すぐに院内約300台の電子カルテ端末全てで画像を参照することができ、迅速な診断・治療が可能となりました。当院からの画像データの情報提供(貸出等)は、原則可搬型媒体(CD)となりますので、ご理解、ご協力よろしくお願いします。